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トップハート物語(447)立志伝昇竜編
12/01/21
2003年(平成15年)7月中旬。昨年秋に設置した守口事務所の管理責任者は大東本社から今年異動させた。性格的自分にも他者にもにも律する気持ちが強く、微動だにしない氷河のような気持ちを持っていた。さらに当社に居る訪問介護員養成講座1期生の同期からも距離を持っているように感じていた。その点は、私と同じような性格で一匹狼的で、自己主張が強い印象があった。
 私が独立する時に言われた言葉で胸に残っているのは、
 「私を信用しないで下さい。いつ裏切るか分りませんから。」
 という言葉だった。
現在は守口事業所管理責任者として、任せている。しかし、まだ私の精神を受容出来ずに、私にとっては反発、彼女にとっては正論を言い通することが多い。懸念していたのは利用者の立場、ヘルパーさんの立場に立つことが少なく事務的な対応が多い印象があった。彼女にとっては、私は出鱈目な人間と思っている筈だ。規則を無視して、適当にやっていると思うのだろう。そうかもしれない。彼女の思いがきっと正解なのだろうと感じる事もあった。
 利用者が、時間の変更などを要請して来ると我が儘な要求として映る様だ。
 「週3回通院介助でプランがありますが、金曜日だけ集会がある時が多く、その後に病院へ連れて行ってくれと言って振り回されています。」
 「何も振り回してないじゃないか。金曜日に集まりがあり、その後に病院へ行くことに対応すれば良いじゃないか。」
 「ヘルパーさんも、時間がハッキリしないし遅くなったら嫌だと言っています。」
 「何も決まったヘルパーさんではなくて、利用者はヘルパーさんは誰でも良いと言っているので近くの出来るヘルパーさんにお願いすればいい。出来ない人に頼むから、嫌だと言う。したいという人は沢山居るのだから、その人に頼べば済むことだ。どうして利用者の希望を聞いてあげない。」
 私に報告する前に、ケアマネジャーに注意してくれるように依頼したこともある。ケアマネジャーから私に、
「管理者から依頼がありましたが、まだ連絡が取れないので。」
と連絡が来たので分った。
 あれほど、利用者の現況を彼女には話した筈だ。今月から始まったケアだが、今まで施設系のステーションが行っていたが、営業時間が夕方5時までとか土日に対応出来ないとかの理由で当社に変更した。同じ対応をしていたのでは、何の為に苦労して受け入れたか分らない。
 管理者は、自分で営業したことがない。いや、その管理者に関わらず当社全員が営業したことがない。延べ500人の全利用者は、私が得た利用者で新たなケアプランセンターから他の誰かが営業によって得たという事はない。
 だから、ある市では16のケアプランセンターがありながら取引は6事業所くらい。またある市では20以上あるのに取引は3事業所しかない。何しろ、数十メートルの近くに新たなケアプランセンターが出来たのに訪問介護の管理者として挨拶にも行って居ない。管理者とサービス提供責任者に指示したが、パンフレットを持って行った日は休みだったらしく、その後ひと月になろうとしているが行く気配も無い。
 自分の努力で得た利用者、どんなに大切にするだろうか。その気持ちを知って欲しい。何も努力することなく得た利用者は、一人個々として接するのではなく多くの中の一人として接してしまう危険性がある。その対応は、無機質となって機微が失われてしまっているのではないか。
 ヘルパーさんに対してもそうである。担当変更をするのに、先日なぜかFAXのみで通知してしまったのか。
 6月26日に、利用者の担当変更をヘルパーさんにFAXで通知。29日の日曜日の夜に担当している利用者の分だったが、そのFAXには担当者変更だけでいつからという大事な点が抜けていた。言葉で交わしたら、それが防げた筈だ。
 FAXを貰ったヘルパーさんは29日の日曜日からと思い、管理者は7月からと思い込んで過ぎ去った。しかし、ここに問題が潜んでいる。本当にヘルパーは、そう思ったのか。結局29日日曜日夜は誰もヘルプに行かなかった。未必の故意があったのではないか。自分が行かなければ、何かが起こりそれが自分を変えた管理者に責任が及ぶと考えていたとしたなら、それによって思い通りに結果が出て、そのFAXの用紙を証拠として方々に訴えた行動は理解できる。何かと言うと、私の足を引っ張ろうとしていたヘルパーさんだったからチャンスだったのだろう。
 後悔しても始まらない。その経験が生かされればと思っていたが、反省はしても自省はしないのではなにもならない。
管理者は、私に対して責任を追及するように
「ヘルパーが足りないのが問題。何でも引き受けてヘルパーの確保をしないから。」
と日を追うごとに言い出した。
挙句に、事故が起きた事の責任を
 「処分して下さい。」
 との申し出に替えた。
管理者の責任は私の責任だ。管理者を処分するという事は、私を処分する事だ。私は、常に責任を取る積りはある。しかし、部下を処分する積りはない。泣きながら訴える管理者に対して、
「泣くな。」
と関東流で励ました。
彼女が意識を変えてくれることを期待したのだ。
 ヘルパーさんも、証拠として管理者から貰ったFAXを持って来て
 「どうして確認しなかったのかと悔しくて。」
 と、責任は自分に無いとばかり泣く。
どうしてこれほど皆泣くのか。利用者は、要介護5で車椅子生活。自分では全く動けない。ヘルパーさんに、生活の全てを任せている。朝ベットから車いすに移乗して生活し、夜に車椅子からベットに寝せてあげる必要がある。勿論食事もヘルパーさんが全介助だ。その日の夜にヘルプに行くことが出来なかったのである。
 管理者にヘルパーさんから、私に「頑張って」コールがあったと、言って来た。
 「負けないで」
 そんな言葉もあったという。
私は自分では格好つけているが、ベテランヘルパーさんから見ると、まだ危なっかしいようだ。
あるヘルパーさんには
「自分の息子のようで、心配してみている。」
そう言われた事もあった。
 そのヘルパーさんは当社が拡大する切っ掛けを作ってくれたヘルパーさんだ。
 大手の在宅介護支援センターから初めて仕事を頂いた時に、対応したヘルパーさんでそのケアの評価が今の業績に繋がっている小野ヘルパーさんだ。私にとっては、神様のような扱いをして上座に飾っていつも崇めなければならない方だ。

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