お知らせ


お知らせ

RSS

一覧に戻る

トップハート物語(433)立志伝昇竜編
11/12/31
2003年(平成15年)6月下旬。前夜、本社サービス提供責任者Kから電話があった。
 5月本社サービス提供責任者として、ある市役所の職員を採用した。そのやる気には大いに期待を持って採用した。今回は慎重を期して、数人で面談を行って採用した。年俸制として、残業代を含む前年度の収入を保証した。残業代で食べていたといい、残業はどのくらいまで認めてくれるのかと聞かれた。
 「役所は、ただ居れば残業代が出る。当社は民間なので、そんな不合理なことはしない。必要性の無い仕事はしないで欲しい。能率が悪い人間が残業をして金品を受け取るなんて、おかしいと思いませんか。」
 と返事をして、納得して貰った。
やはり、その杞憂が当たったようで夜は会社の電話で友達に掛けるなど私用に使用しているらしい。夜誰も居ない本社事務所へ行ったが、クーラーは点けっ放し音楽は鳴りっ放し。
 さて、その若いKから携帯へ電話があったのは、前夜8時前くらい。
 「実は、私のバイクを仕事に重宝して使っています。私は現在、小遣いが1万円なのです。バイクの経費をいくらか頂けないでしょうか。」
 今まで我慢していたものが、グッと込み上げて来た。ここ2ヶ月、折に触れ営業の大切さを指示して来た。前任者から変更した時点で、
 「それを切っ掛けにケアマネジャーを回って下さい。まず、自分の名前や顔を覚えて貰って下さい。」
 そう言ったが、ハイと言う返事だけでほとんど何もなさない。
最初の一月は、仕方がないと思っていたが、もう2ヶ月目も過ぎようとしている。今何もしないという事は、ここ数ヶ月は何も無いと思うように言ったが、その通りになっている。
 「今まで、コピーを新しいものに変えたいというので替えた。新しい人が欲しいというので入れることにした。その経費の裏付けが欲しい。どのようにして、その分の収入を得るのか教えて欲しい。バイクの経費なんてたいしたことが無いので別にいいが、どんな営業戦略で本社事業所を運営するのか教えて欲しい。」
 今までも、
 「1日一人で良いから新たな人に会って欲しい。ヘルパーさんでも、利用者でも、ケアマネジャーでも、施設の人でも、役所の人でも、また関連事業の人でも。全く関係のない人でも。それが自分の財産になる。」
 そう言って、口を酸っぱくして指示して来たが、「ハイ」という素直な返事に疑いも持たず今まで来た。
 彼に言葉を挟ませずに、続けて話した。
 「収入が計れないでいて、このままではこの会社を築いて来た社員が黙っては居ない。君の収入は高く、経費を使い何もしないで過ごすことは、大きな問題になる。何をしていて、そんなに毎日遅くなるのか聞いても、『これと言ったことはやって居ないので、答えようが無いのです』との管理者の返事だったが、それでは困る。」
 何しろ毎日終電車が無くなるまで残っているので、仕事をしている気持ちになっている。何とか症候群で、ただ遅く帰るだけ。昔は、冷暖房の効いた会社でのんびりと仕事をして残業代を稼いで会社に遅くまで残っていた病気の人間が沢山居た。それが、中高年を無能にしてしまった。
 泊り込みをしている事もある。だから、
「その仕事の一部でも私がするからその内容を教えて欲しい。」
と言っても、これとこれをしていますというものがないと言う。
 シフトの調整でサービス提供責任者と管理者2名が毎日早くから遅くまで忙殺されて、それ以外の仕事はしていないと言うのだ。
 組織を変更した5月は、本社事務所の収入が若干減少した。それは仕方が無いことだ。6月は、ヘルパーさんが紹介してくれた利用者が大きく貢献してくれた。しかし、その紹介を受けて得た業務の話を、さも自分たちが活動して得たと話をするだけで、本当に自分たちが、ケアマネジャーを訪れてあれとこれの仕事を受けて来ましたと言う話はない。
 先日も、それぞれ二人の運転する車に同乗して、通院でよく行く病院や利用者宅、ヘルパー宅の近所を通るので、ここは誰々の家と私が言っても、一人も知らなかった。
 問題がある事項などを聞き、その利用者の話をしても全く知らない人のように、何も知らなかった。詰まり、私が指示したことは何も行われていずにほとんどの利用者等と接していなかった。
 集金をしながらでも、利用者に接するように言ったが、それもなされていなかった。それどころか、あれほど集金をしながら利用者に会う様に言ったのに、今度入る常勤ヘルパーさんにさせている。
 話を続けた。
 「君達が何もしないで、このまま行ったらみんなとの軋轢が生まれる。お互いに協力する気持ちが無くなって、悪口を言い合うようになる。それだけは何とか避けたい。本当に、経費を使う要求だけではなくどのようにその経費を賄うのか、営業戦略なり目標を言って欲しい。」
 「分りました。それをまとめます。」
 今からでは遅いのだ。しかし、やらないよりましかも知れない。
それが、彼らの時間潰しの理由となって、目標を作る時間を消費する。そして、それは纏めただけで実行しないで終わるのだ。とにかく、今まで自分が経験したし接した事の無い社会人がここに存在する。これは、今後も今も続く。男性はこの業界では使いものにならないのか、使いものになる人材が流入して来ないのか。人材確保との戦いは始まったばかりだ。

一覧に戻る


  • ヘルパー講座・セミナー 最新情報
  • ケア事業・サービス 最新情報