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- トップハート物語(428)立志伝昇竜編
- 11/12/22
- 2003年(平成15年)6月下旬。午後2時頃はまだ自室で昼食中だった。今年から、管理責任者となった菊ちゃんから連絡があった。
「この前言っていた新しく出来たケアプランセンターへ営業に行って来ますから名簿か何かあったら下さい。」
その言葉を待っていた。
何しろ設立後この2年半のうち、営業と称するものをしたのは私だけなのだ。今まで、設立間も無い頃は勿論、少しでも時間があれば営業へ行くようにその名簿や話をする内容などセールストークを話して、パンフレットを持たせたが誰も何処へも行かない。
本社の男性はカレンダーなど持って出て一日中帰って来ないので、回っているものと思っていると、車の中から積んだままの状態でカレンダーが出て来たり、と余りその方面には熱心ではない。
そう言えば、先日大手福祉企業から当社へ移籍したサービス提供責任者が、一通り挨拶を兼ねて居宅介護事業所へ挨拶に回った。
「話はして来ましたので、仕事が直ぐ来ると思います。」
と、さすがと期待させた。
しかし、既に3ヶ月は過ぎたが、その回った数件の居宅支援事業所からは何も来ていない。
その当社でもサービス提供責任者として選任した彼女と、管理者と二人で営業に行くという。嬉しくなって、隣の市と合わせて凡そ30件のリストを渡して、1件ごとに説明をした。
パンフレットは手作りだが、表紙だけカラーだ。そのカラーコピー代金は1枚50円だ。50部作りたいというので、益々期待をして励ました。
「よろしく頼んだぞ。」
と、言う声も弾んでいよいよその気になったか、俺も頑張るぞと気合を入れた。
それから3時間が過ぎて、サービス提供責任者が来た。
「どうだった。」
「行きましたが、お休みでした。」
本当に隣という位置に居宅支援事業所とデイサービスが出来た。半径500m以内に施設系や病院系の訪問介護事業所を合わせて7件もあるのだ。隣に出来たのは5月1日なのに、まだ何のアクションも起こしていない。
「休みだったのか。月曜日なのにそんなことあるんですか。他はどうでした。」
「他はまだ行っていません。事務所へ戻って来て、色々していました。」
「えっ、行って居ないのですか。」
と言ったきり、言葉に詰まって顔が引きつった。
自分でもそれが分った。逃げるな。一旦逃げたら、もう戻れない。その気持ちを切り替えるのが、大変だ。
暫くして、支援費の管理責任者と打ち合わせをした。どうですかという私の問いに、
「これからは、常勤社員をなるべく外に出して、私が事務の仕事をした方が効率が良いと思っています。」
それまでは、
「一人の事務員を採用してその者に事務処理を覚えさせて、私が外へ出て営業をします。」
と言っていた。その意見を入れて事務員を採用した。
最近、その事務の人間を現場に派遣するようになった。そのようにして、自分は事務処理をしながら管理をするという。今までの、言葉と異なる。それも後ろ向きに異なる。
この者とは、完全歩合でスタートしている。しかし、その基礎となる数字は全て私が獲得した利用者だ。その管理だけでは、多額の報酬は出せない。ましてや、件数が増えるどころか減っている現状では、何を管理しているのか不明だ。言動に問題があり、周りの同僚との軋轢があったり、利用者からのクレームが少なからずある。
加えて、本社採用の若手2名の動きだ。既に2ヶ月が過ぎようとしている。営業は全くしない。あれほど、口が酸っぱくなるほどハッパを掛けているが動かない。返事はするが、動かない。新型のパソコンやコピー、一人増員を認めた。あとは、自分たちがするだけなのだが。
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