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トップハート物語(422)立志伝昇竜編
11/12/12
2003年(平成15年)6月中旬。講習の修了式が10時からあったので9時には部屋を出た。20分前に会場に着いた。修了式という名前だが、内容は全く無し。
 以前、修了式と銘打って実施したところ、受講生が着飾って来て何かイベントか食事でも出るのだと勘違いして参加して来たので出来れば修了式は止めたいと思っていた。
修了式の内容は「修了証明書」を渡すだけでイベントなど無いので参加されない方へは郵送でお渡ししますと伝えたが、ほとんどの方が当日来た。
 1時間で全行程を終了した。当社としては初めて実施した地域だが、定員一杯の受講生で何処でも講習をやれると自信が付いたが、問題も多く残した。
 やっと施設実習先でグループホームを見つけたが、トラブル続出でその施設を今後の実習先として失った。かなり考えが厳しい経営者だったので受講生に何度も注意をしたのに、2名受講生が連続して禁止されている車で行って大目玉の上に、ネチネチと30分以上嫌味を言われた。
 ここ最近、昼食は外食が多い。ところが、食べるもの食べるものが余りにもひどい味付けで、ほとんど残した。どうしてこんなにまずいのだろうか。「まずい」という言葉は、子供の頃から余り使わないし、その言葉を吐くのにはかなり強い罪意識が働く。それでも、最近はこの言葉を吐くことが多い。そのくらいまずい。
 何度か調整の催促電話が支援費責任者から入り、やっと支援費の事務所へ行った。
 ある利用者の調整だ。毎日、朝7時、昼12時、夜8時。1日3回30分乃至1時間。他に、週3回夕方6時から入浴介助1時間。加えて、週2回1時間の外出援助。支援費の受給量は130時間。全て身体介護。その方の、援助の一部に家族のこだわりがあってそれを実施する為に、アンバランスな姿勢とることで体を悪くして多くのヘルパーさんが失格となったり、体調を悪化させたりした。
 その為に、得た結論は2名体制にして貰う事。その内容を、支援費の責任者が利用者家族に話をして了解を得たと聞いていた。二名体制の一人は、簡単な補助で体力も技術も左程いらないという事だった。
 その内容から、新人や多少の年を得たヘルパーさんを選定することを認めた。いろいろ遣り繰りをしてやっと決まったと先日聞いていた。勿論、その中には一人でも大丈夫と利用者家族に太鼓判を押して貰ったヘルパーさんも2人いた。その2人を中心に、援助のメンバーを決めて行った。
 電話が、私と一緒に研修修了式へ行っていた智子さんに責任者から入ってスケジュールを申し渡された。その智子さんはその利用者家族から、背が低いし力がないと変更を要請されていた。加えて、智子さんと組む予定だったもう一人のヘルパーさんは、全くの経験も無く高年齢の痩せたヘルパーさん。
 その事も懸念されたが、今の今まで聞いていた簡単な補助的仕事ではなく、家族が当社ヘルパーさんと行っていた主体的な援助をする事になったという。そんなこと初めて聞いた。電話では埒があかないので、事務所へ行って語気を強めて言った。
 「何でその弱い2名を組ませて派遣するんだ。何時から2名が身体介護を主体的にするということが決まったのだ。」
 「私も今聞いたばかりです。この前は、このメンバーで良いと言ったじゃないですか。」
 「その時は、簡単な補助的仕事と言っていたじゃないか。何時そんな話になったのだ。大事なことを隠して、ヘルパーだけ決めればいいなんて考えるな。」
 「だって空いている人が居ない。」
 「そんなこと分っている。だからと言って誰でもいいという事は無いだろう。あんな痩せたお年寄りのヘルパーさんで、もし利用者を落としたらどうする。責任を取るのか。誰もいないから誰でもいいという考えは止めろ。」
 「分りました。」
 「それから、利用者が2名派遣を望んでいると聞いた。だから市が調査して複数派遣を認めた。ところが、一人で出来る人が居るのに同じ資格を持ったヘルパーさんなのにおかしい、とクレームが来ているというではないか。もし一人で出来ないなら、他の事業所へ移ると言っていると聞いた。話が全く報告と違う。」
 「私も最近聞いただけで、どうなっているか分らない。」
 「とにかく、利用者の小さなひと言に大きな意味が隠されていることを忘れないように。余り大したことが無いと高をくくっていると大変なことになる。あくまでも利用者の理解を得て、対応するように。」
 再度調整のやり直しをして、2時間後に何とか終った。事務所へ戻って、簡単に事務処理をして部屋に戻った。管理者の菊ちゃんも朝7時からケアに入っていて、夜8時にも入る。この当時は残業代なんて無い厳しい時代だった。いま多くの若い人たちのように、権利意識ばかり先に立って自分がどの程度仕事しているのかさえも考えないで、要求ばかりする年代とは違っていたのだ。
その思いがあるので、土台を築いた設立当初の人達に何とかしてあげたいといつも思っている。全く異なるが、年金制度も同じ考えでないと成り立たない。積み立てた金額は必ず戻って来るという前提が無いと、納付する意欲が無くなる。公務員や議員の年金制度は守られていて、議論するのはいつも市民の年金制度だ。それも、減額の論議ばかり。公務員や議員の年金が議論に上る事があっても、マイナスになる事はなく、必ず成立しない議論で終わって仕舞う。

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