お知らせ


お知らせ

RSS

一覧に戻る

トップハート物語(387)立志伝昇竜編
11/10/18
2003年(平成15年)5月初旬。あれほど顔を出すのも嫌だった大東本社に、顔を出す事が多くなった。新たしい若い有能な社員が二人も入り管理者とサービス提供責任者になった。その顔を出している最中に障害者から電話があり新人の管理責任者が長い時間対応していた。一旦送話口を抑えて、
 「実は、サービス提供責任者のK君が利用者の障害者の方の紹介で新たな援助依頼者に会いに行ったのですが、お断りの電話です。」
 「うちも断ると、紹介者へ言っていた筈ですが。」
 その旨を彼女が告げると、また話が長くなったようだ。
 「両方が断っているのだから、それで良いと思うのですが、色々と問題があると言って話を止めないのですが・・・。」
 と言って替わって欲しそうな顔をしたので、受話器を受け取った。
 実は、当社が援助している利用者が親しい障害者が居て、今のヘルパーさんと合わないので業者を変更したいと、紹介してくれた。
 その調査に行った、新人サービス提供責任者の報告は、
 「人を信用しない。受給者証を見せてくれない。家が知られるのが嫌で、公園で会った。ひと言ひと言、難癖をつけて来る。」
 その報告を聞いて、
 「無理して対応する必要は無い。依頼された利用者に援助をすることが基本方針なので、ご機嫌を取りながら仕事を貰うなんて、かえって利用者のためにならない。断って構いませんので。」
 「収入的には、遠くまでの移動介護・身体介護を伴う80時間と、奥さんの50時間は魅力的なのですが。」
 「一人だけしか居ないと言うなら、少しは考えるがたくさんの利用者が居るのだから、必要と言われた人に対応することで十分です。」
 そんなことで、前日に断っている。
しかし、今度は断られたと利用者自身のプライドが許さないのか自分からも断って来ておいて、尚且つ文句も言いたい。
 電話を替わって、一番に
 「どうしてガイドヘルパーさんが二人で来たのですか。おかしいじゃないですか。」
 「どうして、二人で行ってはダメなのですか。運転手もヘルパーの資格を持っているので3名ですよ。」
 「普通は一人じゃないですか。」
 「うちは普通の会社と違うのです。利用者の安全を確保する為に、必要と判断すれば二人でも三人でも行きますよ。」
 体重100キロ近くの紹介者でもある利用者に同行したのは、移動介護資格者(全身性身体障害者・視覚障害者)、ホームヘルパー、障害者専門の新人サービス提供責任者。2名は社員だ。
 「普通は一人だ。」などと繰り返したので、少し強い口調で、
 「複数のヘルパーさんを派遣して、その人数分請求するなら問題かもしれません。しかし、当社は社員を派遣して利用者の安全確保を一番に考えます。貴方の言う、普通の考えの会社に依頼したければその様な会社に依頼すれば良いのではないですか。」
 「いや、今の会社は変更したいのです。ヘルパーさんは何も援助をしてくれないし、すぐ替わってしまうのです。」
 「それは、選択した自分の責任です。それ程色々な考えを持って事業者に接しているのですから、自分で選択したのでしょう?」
 「それでもたくさんあるから、分りませんよ。」
 「それはそうです。合わなかったら合うまで替えれば良いではないですか。」
 「お宅の会社は、この市の名簿に載っていない。」
 「その市は、届出のしてある営業区域に入っていない。」
 「どうして、営業区域に入っていないのですか。おかしいじゃないですか。」
 こんな会話の繰り返しで、40分近くになった。
 「私はどうしたら良いのですか。」
 「それは自分で決めることで、私が決めることではありません。」
 「今、他の事業所と仮契約をしています。その仮契約を解除するのにどうしたら良いか市役所へ聞きに行きますので、それから連絡します。」
 そんなことで収拾が図られた。
 夜に、担当した新人サービス提供責任者のKから電話があり、
 「とにかく、障害者と言えど媚を売るな。健常者と同じ対応をしなさい。媚を売れば売るほど、見透かされる。」
と、厳しく注意した。
 この日は、日曜日だったが障害児の外出援助が2ケースあった。そのひとり、京都へ行った利用者のお母親から電話があった。
 「本当に有難うございました。長い間子供を見てきましたが、勉強させられる事ばかりでした。今日のうちの子は、喜んでいて楽しそうでした。今日の方も受け止め方がうまくて、一緒に行った他の親の方もいつも良い人を連れて来てと、お宅へお願いしようかと言っていましたよ。」
 本当に嬉しかった。条件が厳しいがその条件をクリアしようと努力した甲斐があった。

一覧に戻る


  • ヘルパー講座・セミナー 最新情報
  • ケア事業・サービス 最新情報