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- トップハート物語(383)立志伝昇竜編
- 11/10/14
- 2003年(平成15年)4月下旬。今月になって初めて大東本社へ行った。本社に顔を出さない経営者も珍しいだろう。代表者印などもこの本社に置いてあるのだ。スキだらけなので、いくらでも勝手なことが出来る。いつも騙される。
いつ行っても同じ、嫌な不愉快な雰囲気の中での引継ぎだったので、引き継がれる新たな社員となったNさんとK君も不愉快だったろうが、二人とも有能な社員で人間が出来ているので何とか嫌な少しの時間を過ごした。
その途中で、社会保険労務士から電話があった。
「今日、退職者の手続き上必要な書類を受け取りに行ったのですが、退職者の中で初老の女性責任者は自己都合の退職だというのですが、他の方たちは会社都合だということで離職票に「事業縮小の為」と、自分で書いて代表者印を押しているようなのですが。」
「私は押したことはありません。」
「自分たちで勝手に押したようです。私が社長から聞いている内容と異なるので、自分でするように書類を受け取らないで戻って来ました。」
「それで構わないです。もしそれが職業安定所へ提出された時点で、安定所から確認等あれば公文書偽造と公印行使の訴えをします。とにかく、拘わっても仕方がないので最低限の社会保険労務士として判断での仕事をしてくれれば良いです。それに加えて、最善という手段をとった後、当社が受ける影響を教えて下さい。」
突然、初老の女性本社管理責任者が退職したいと申し出があったのは今月の初め。その理由が、私が居る事業所の管理責任者である菊ちゃんが勝手に本社所属のヘルパーさんに仕事を依頼したというもの。
元々、なぜか知らないが水と油の二人。大東本社の業績が菊ちゃんが管理者となった守口事業所の3倍以上の時は、何とか我慢をしていた。それが、立った半年後4月には逆転することが確実で、プライドだけが高い初老の女性責任者には耐えられない。
加えて、自分の嫁2名が社員としているが、その二人の世間での評判が悪く講習関係の担当をしている嫁が何もしないのでトラブルばかり。もう一人の嫁が、横柄な口調でケアマネジャーには避けられている。仕事が減るのは当然だった。その人選をした自分に責任がある。
その嫁が、仕事をしないのでどうにかして辞めてもらおうとしていた。関係のある業務は全て、当方の事業所でする事になった。そんな動きを見て将来を観念しのだろう。
しかし、勝手に「業務縮小の」と記した事は問題になる。業務縮小というのに、このどうしようもない社員の退職する3名の給与を足したより高い給与で2名を採用するのだから、それを否定する根拠となる。
もう一人、3月末で契約が切れた中年男性がいる。初老の女性責任者が、ひと月延長して雇用し、勝手に業務縮小の為と解雇する。とにかく、会社都合だと色々失業者にとって好都合なことがあるが、会社にとってはたまったものではない。
こんな勝手なことをしていたとは、信頼をし過ぎていた。
問題はヘルパーさんと利用者の引継ぎだった。そのほとんどが、引継ぎがなされなかった。
この件に関しては、夜も遅くに本社ヘルパーさんから長い電話があった。その要旨は、
「他のヘルパーさんから言われたが、管理者の初老女性が辞めさせられた。あんたどうする、と言って来た。」
「そんなことはない。自分で辞めると言って来ただけだけ。」
「何でそんなことになったの。」
「俺も分らないよ。」
「社長はいつも裏切られてばかりで大変だ。初老女性責任者から、新しいところでよければ利用者毎移そうかと言われた。」
「それはどういうこと。」
「私も何を言われているのか分らないが、とにかくそう言われた。あの利用者の家族にえらく気に入れられて、あんただけ来てと言われている。」
彼女の仕事は、1日5時間、土日祭日7時間の長期援助だ。その援助は、彼女と他のヘルパーさんで対応していた。それが、彼女一人となると大変になる。
そのこともあるが、聞き捨てならない言葉に利用者毎新たな事業所に、などという言葉だ。
もっと詳しい話を聞かせてくれるように頼んだ。
「いや、本人に言わないでよ。最初は、管理者として初老女性も口うるさく家族の方に怒られた。長いだけで、利益にならないと言っていた。止めても良いと言っていた。そんな話の後に、あんまりはっきりしないが、自分でしたいようなことは言っていた。新しいと言うのはそんなことだと思う。」
少しは安心したが、本当に目を光らせていないと足をすくわれるか分らない。信頼なんて言う言葉はこの地にはない。
帰る途中で、この地域の一番大きな在宅支援センターへ寄った。最初の挨拶だ。所長以下、全員のケアマネが顔を揃えて挨拶された。主任が、
「今度、お宅の近くにデイと居宅が出来るよ。挨拶に行けば居宅があるし近所だから、仕事を得られると思うよ。」と情報をくれた。
所長は、
「今まで通りに、当在宅センター優先でお願いします。」
と言ってくれた。
これから始まる、一大バトル。退職者と遠く離れて何もしないで信用だけしていた私では、おのずと結果が分かる筈だったが、このように所長たち地域の主だった方が当事業所を守ってくれたのだ。
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