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トップハート物語(380)立志伝昇竜編
11/10/11
2003年(平成15年)4月中旬。9時に事務所に出社した。誰も居ない。現在事務局には7名の社員などが在籍している。2名は、全身性障害者の移動介護でバリアフリー展を見学に行っている。2名は7時頃から障害者と筋萎縮性障害の寝たきり高齢者の排泄介助等へ出掛けている。1名は珍しく休暇だ。もう一人は、仕事がなくなったと泣きこんで来たヘルパーさんを支援費の事務アルバイトとして採用している。
 新規依頼者の契約書を2部ほど作成した頃から、倦怠感が襲って来た。もう年だとは思うが、事務所に居る時間が多くなると動いている時よりも疲労を感じるのは何故だろうか。自分の席でウトウトした。
 電話で目が覚めたが、それでもまだ11時を過ぎたばかり。隣のマンションに居る支援費関係のアルバイトが何度も出入りするので、中途半端な眠りだ。昨夜遅くまで道頓堀あたりで面談をしていたので、その寝不足の疲れが出たようだ。
 昼は部屋に戻って、食事を作った。いつもは魚がないと進まない食事が、何となくおかしい。昨日はアジの塩焼き、今日は鯛の兜焼き。その何れもが、途中で気持ち悪く感じられるほど食べられなかった。
 3日前から、ダイエットを始めた。6月に本家の長男が結婚をするので、出席をしないといけない。この地に来て3年体形が大幅に変わって、持って来た服は全く着ることが出来ず、履けず。何しろ1年毎に10キロ近くずつ増えていった。だからいつもジャージだ。
 先日から歩くことを始めた。その疲れがどっときているのかもしれない。折角スタートしたばかりなのに、雨ばかりでは外へは出られない。集金がてら出掛けようと思っていたが、それも出来ない。
 管理責任者の菊ちゃんから戻って来たと連絡があった。報告することが沢山あるという。
 暫くして、事務所へ向った。最近多くなって来た新規のヘルパー派遣を調整した。
 「昨日大東本社から、Oさんの通院介助はどうなりましたか、と連絡が来ました。確かに私は大東からここに異動してもケアマネの依頼で今でも担当していますが、通院介助は聞いていなかった。本社事務所の初老女性管理者の嫁さんが聞いていたようですが、返事もしていなくてもう一人の嫁さんが聞いてきました。そのあと、最初聞いて来た嫁さんが、車椅子では遠すぎると断ったそうです。」
 「そんなことしているのか。」
 「私に直接ケアマネさんから連絡が来たので、させてもらいますと返事をしました。皮肉を言われました。大東本社はどうなっているのですか。」
 本社の事務局は3名居る。管理責任者である初老女性の母と、嫁2名だ。私の判断ミスが災いとなっている。嫁2名は、会社員としてより社会人として欠陥者だ。
 電話の応対は勿論、ヘルパーさんに対する態度や判断はかなりの問題を起こしている。ケアマネやヘルパーさんから何度も注意を受けた。
 勿論、その様な対応でははっきりと実績に影響を与えてきた。昨年11月に数分の1でスタートした私のここ守口事業所は、立った半年もたたずに今月その落ち込んだ本社の数字を上回ることが確実だ。
 今月初めに管理責任者以下退職を申出たのは当然というところか。しかし、その第一の理由が、この事業所へ異動させた管理責任者の菊ちゃんの言動だという。
 「本社に内緒で、と言って本社所属のヘルパーさんを勝手に派遣している。」
 とのことだった。
 それもあるかもしれないが、実は大幅な売上減を見込んで逃避するのだ。嫁を抑えきれない、それが彼女の責任の取り方なのだ。
歴史は繰り返す。今年の退職した管理者と同調者は同じように、全く意味のない入社したばかりの高齢者の言動を理由に言っていた。自分とその意味も力もない高齢者を同列に並べて、自分が負けたと言っているようなものだ。内実は、売り上げが落ちて加算も無くし大幅に収益が落ち込んで、どう著者の言動が端を発して市役所や利用者、ケアマネジャーなどからのクレームもかなりあり管理も難しくなったのが実情だ。
 その名指しされた、当事業所の管理責任者の菊ちゃんは、
 「私が一人で悪者になっている。悔しい。」
 「そんなこと気にするな。人のことを悪く言い始めたら終わりだぞ。」
 「そんなこと言っても、女は違う。男は良いかもしれない。折角同じ1期生で頑張って来たのに。」
 「先日、アルバイトを本社の連絡に行かせたら、様子を伺いに来ているなんて言っていたらしいが、もうそうなったらどうしようもない。何の様子を伺っているのだ。必要性があると言って、仕事の無い男性を入れて、受講生の同行訪問の送り迎えをしているだけで勤務実績を上げているようだし、もう末期だ。今度は立派な人材を得たので、皆で協力し合って同じ方向へ行こう。とにかく俺は大阪から早く離れたい。ここの人種は自分の利益や保身に走って、結果的にはすべてを失うことを、失ってから知る。

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