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- トップハート物語(372)立志伝昇竜編
- 11/09/30
- 2003年(平成15年)4月中旬。確かに、社員は頑張って働いていてくれる。土曜日も、深夜になるまで翌日の講習関係の準備をしていた。食事をする間もなく、深夜12時近くになった。
まだ2名の社員が残っていた。私は余り無理をしたくないとの体の要求に、2人を置いて帰宅した。
実は、今までどの講習も自分が出席して対応していた。ところが、教室も多くなって対応しきれないのと仕事の委譲を図るために、社員とアルバイトをそれぞれの2会場に振り分け担当させることとした。
その責任感から、社員は私と入浴介助を担当したあと、夜9時過ぎから事務所へ。アルバイトは主婦であるので、一旦自宅へ戻り同じ時間に事務所へ来て仕事を始めた。
心配だったが、その私の心配する気持ちがみんなの自立心を阻んでいるかもしれないので、心を鬼にして帰宅した。
2人で朝8時前に待ち合わせて、会場へ向ったようだ。気が気でないので、その時間に事務所へ行って待機していた。
9時開講だが、講師から電話があった。
「まだ、9時に数分前ですが事務局の人が誰も来ていないのですが、何時に来るのですか。」
この講師は、先日講習予定が有りながら忘れてしまって、2時間も大幅に遅刻した前歴がある。しかし、口は高圧的で何事も偉そうに言わないと気が済まない。
時計を見ると、まだ開講時間まで10分あるが、心配になって社員へ連絡した。
「今運転中です。向っています。もうすぐ着きます。」
慌てている様子なので、運転に影響を及ぼしてはいけないと、すぐ切った。
数分してから、心配なのでまた電話を入れた。
「後、2、3分です。」
「どうしてこんなに遅れた。先生が事務局は何時に来るかと聞いている。」
ここでまたこらえた。
実は、受講生に施設実習をはじめとして講習関係の受講には絶対に遅れないように、何度も何度も念を押している。
その言っている張本人の、講師が忘れるなんて論外で、またその管理をしている事務局が開講時間に遅れるなんて考えられない。
また、私が平謝りに謝った。どうしてこうも判断が悪いのか、一旦事務所へ戻った社員に詰問した。
「どうして遅れたのか。」
「持って行った使用備品が、2会場分なくて区分するのに時間が掛かりました。」
「遅れるならどうして連絡をしない。」
「済みませんでした。」
「みんなに遅れるなと言いながら、自分たちが遅れるなんてどう言い訳したら良いのだ。」
「済みませんでした。」
「今日やってみて、何が問題なのか自信が付いたろうから、これから宜しくな。」
今度の20日(日曜)は埼玉で2級養成講座の開講および講義があり、出張しないといけない。その日もここの会場で2教室の講習がある。そのための訓練だ。
日曜日もなく、休みも空いている時間に取ることとなっているので本当に申し訳ない。ひと月数日の休暇で、休みを取るように言っているがなかなか取らない。
講習は、夜6時半過ぎに終った。私は、その確認を電話で聞いて今日の大事な人との面談に向った。
大東本社の人心一新の為に、先日は隣の市の介護福祉士で障害者施設で勤務している職員、31歳男性Kの採用を決めた。体育会系でやる気満々、事務処理も出来障害者を中心にケアも出来る。
もう一人の強力な布陣を考えていた。36歳、女性。ある大手専門学校の重要な地位にあって、教務、経理、総務を司っていた。現在、経営や労務管理を公的機関で勉強中。25日卒業。
懇談は6時半から始まった。雰囲気的には、大いに可能性がありじっくりと会話を交わした。
事前に、メールで内容を話しており後は決断と詳細条件だった。
仕事の内容は、問題がなくあとは今まで所属している会社との悶着だ。
競合するとの心配と、そのオーナーとのトラブルが心配という。
社員が、講習を終えそのままケアに入り8時半過ぎに到着した。
「本社に来てくれるのですか。」
と、着く早々言ってくれた。阿吽の呼吸で分っていても、なかなか言葉で聞けないし躊躇していた。
彼女の言葉は「もし採用となったら」という表現に変わっていた。
この日は、前回と同じように和服で来ると言っていたのに、スーツだった。
「面接をしてもらうという事だったので、この服に着替えて来ました。」
本当に、きちっとしているしどうしても来て貰いたいと思わせる雰囲気だった。
夜10時半に最終オーダーを取りに来て。話が弾んで、11時過ぎに閉店の声を聞き仕方がなく店を出た。
ほとんど決まって、後は条件を出すのを待つばかりだった。お互いに、
「条件を提示して下さい。」
と言い、結局は25日の卒業後に最終確認と仕事の引継ぎをする事になった。
伝説の凄い能力の方が来る事になったのだが、余りの混乱していた大東事務所を立て直して、病に倒れた。自宅に帰らず、車に寝泊まりしてスーパー銭湯に通い、半年後病に倒れた。美しい花の運命は短し。
その後、彼女は大学の社会福祉科に編入して社会福祉士を目指した。
才色兼備とは彼女の為に有る言葉のように思えている。
いつもピンチの時には、彼女の事を思い出す。
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