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- トップハート物語(370)立志伝昇竜編
- 11/09/28
- 2003年(平成15年)4月中旬。私の跡を継いで支援費の責任者となったガマは、当社の2級ヘルパー講習中にその履歴を見て、私がスカウトした。
「私は、給与は10万円で結構です。サラリーマン根性はありません。少ないから仕事をしないという事はありません。仕事が遅い分時間でカバーします。貴方の考えに賛同して、最後までついていきます。」
と、常々言っていた。
本当に事務関係は初めてで、問題発言が市や利用者からのクレームは多々あった。悪気があるわけではなく、思い違いもあったとおもう。自由気ままに生きて来た面がありそのカバーは当然私の役目だ。
あれから、1ヵ月半。4月支援費制度がスタートして、順調な滑り出しだった。午前中2人で会議を行った。
まず彼の処遇だ。彼は、自分の持っている法人の役員をし、役員報酬を得ていた。いや事実は定かではないが、そのように本人が言っていた。
「この金額だったら誰もしませんよ。貴方の気持ちに惚れたから、一緒にやろうと言う気になったのです。金銭目的ではない。」
事務所で対峙した2人。
「こんな話をするのは初めてですが。ここまで来たら、もう決まった事務処理だけなので、ほとんど時間を要するものはありません。私を拘束しないで下さい。あと私に何を求めますか。」
「今始まったのです。このままで何もしなければ、段々と売上が減っていきます。大東本社の二の舞いです。」
「私の給与では、これ以上やれません。私の時間をいくらで買ってくれますか。今のままでも十分私の人件費以上の収入はあると思います。」
「いいですか。現在の支援費の利用者は、はっきり言って私が全部営業して、面談し拡大したのです。私は、支援費関係の利用者獲得に時間を注ぐ訳には行かない。後処理だけの事務では、段々と減ります。減らすことは、誰でも出来ます。10万円払わなくても、誰でも出来ます。」
「私はこれ以上、この会社で時間を拘束される訳には行かないのです。自分の会社もあるし。10万円では営業は到底出来ません。」
「誰も全ての時間をくれとは言っていません。私が知りたいのは、これからの営業戦略、月1名でもいいから利用者を獲得できるのか、それを出して欲しいと言っているのです。物を売るのとは異なるのです。どのような方策を持ってするのか、知りたいのはそれだけです。私が、全身性障害者の500時間を獲得した切っ掛けは、たった5分の説明だけでした。時間の問題ではなく、戦略です。」
「分りました、来週レジメにまとめて提出します。」
彼の提案を私が受け入れた報酬計算は利益を3等分するというものだった。株主、会社、彼。その計算をした彼が、夜わたしの事務所へ持って来た。
支援費の予定収入は移動介護を除いて約230万円。スタート月にしては文句ない。勿論確定ではなく増減はあると思う。身体介護の部分はなるべく社員が入るようにした。だから、その給与は介護保険の方から負担する。その概算によると100万円以上の荒利が出る。
今日は早く戻って、ゆっくり休みたかったが、夜2時間近く激論した。
あの面白いパフォーマンスは、彼の隠れ蓑であったことがわかった。鋭い眼光と、時々威圧を感じる舌鋒は新左翼で、成田空港建設阻止の三里塚闘争に参加した頃の彼を彷彿させた。しかし、経理処理がプロだと言う彼との話は、未収金と売掛金の区別もつかない彼とでは議論にならなかった。
私が、営業戦略を纏めるように言っても、基本的な営業センスや知識も無い彼の言葉は、逃げの一手でフリーズするのがやっとだった。
ただ、みんなの印象で彼が居ると明るいと言うのは、表面だけで、その言葉一つ一つに彼一流の裏があるのが分った。
この年になるまで、自分なりの行き方を身に付けて来たのだろう。勿論誰でもがそうだ。
実兄の会社が、本業の浄水器製造販売、介護事業、飲食事業を撤退し始めた。コピー機、車両など無償で譲るとの連絡があり、先日1年半ぶりに会った。
この日、その一部を受け取った。その御礼の電話を掛けた。
「今度、飯でも食べよう。将来の事もあるし。」
と言って来た。品物を取りに行った社員が、
「空をジッと見つめて、元気無さそうでした。南森町という一等地から、遠くの大東市の倉庫のようなところへ撤退するので社員も元気がなかった。」
私が、地縁も血縁もないところから構築した福祉部門を自分の女房にさせるため、私を口汚い言葉で怒鳴り散らして、少しずつ給与を下げて、採用した智子さん達アルバイト2名分の給与を私の給与から引いて、最後には給与を支給せず、あれから1年10ヶ月。
その後も、弁護士や公証人、興信所などを使い私が独立したことに対する脅し、私の協力者に対する誹謗中傷のビラやFAXなど、言葉では言い尽くせない妨害や嫌がらせを受けた。
私は、無視をして仕事に邁進した。
今月の売上は、大台である月額1000万円に届く。
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